旗の知識 デンマーク

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デンマーク王国国旗

デンマーク王国国旗は、独立国として現在も使用されている世界最古の国旗といわれています。

クロスがキリスト教に由来するのはいうまでもありませんが、この旗のデザインは、1219年6月15日、エストニアのリュンダニセでの宗教戦争のさなか、苦戦していたヴァルデマ王2世率いるデンマーク軍の頭上に赤地に白十字のバナー(Dannebrog・ダンネブロー)が天から舞い降り、これを掲げて奇跡的に勝利を得た、という伝説から来ています。しかしこれは歴史的信憑性に乏しく、デンマーク政府自信が述べているように、この図案の旗の資料的初見は14世紀中ごろの絵まで下がり、むしろこの13世紀初頭にローマ法王が十字軍の標としてクロスを授けたものだといわれています。どちらが正しいというより、血染めの白い布の記憶とクロスの救世・犠牲のイメージがこのデザインの中にあるのではないでしょうか。6月15日はValdemars's Dayという旗の記念日となっています。

しかし、この赤地に白十字旗の前にあったのが、赤地に黒いワタリガラスを配したバイキング(Vikings)の旗(The Banner of the Raven) でした。黒いカラスは古代デンマークの神オディン(Odin)の聖なる徴として崇められていました。
デンマークは、地理的に南にヨーロッパ、北に北欧・スラブ世界の接点に位置し、その力関係で歴史が動いてきていますが、800年頃、デーン人は高速で小回りの効く軍艦を考案・建造し、これによって当時攻めてきたカール皇帝率いるフランク族の大軍を撃破しました。この海運技術と戦闘能力が、のちに北海、バルト海沿岸の北ヨーロッパ諸国を震撼させたバイキングになっていき、Ravenの旗(Dannebroge)はデンマークのバイキングのシンボルとして人々に恐れられ、11世紀にイングランドを一時的に支配下におく頃には国の旗としてみなされるようになっていきました。
そして同じ頃、ハロルド1世(青歯王)がキリスト教に改宗するなどしてデンマーク人がキリスト教化されていく中、黒いカラスに替って上記の話のような白いクロスになっていきました。
クロスは縦横等分のクロスを「ギリシアクロス」、縦長のクロスを「ラテンクロス」といいますが、このデンマーク国旗のように左寄り(竿側)のクロスは北欧諸国の国旗に多いクロスで「スカンジナビアンクロス」といわれています。1397年、デンマーク・ノルウェー・スウェーデンによって北欧同盟としてのカルマー連合(The Kalmar Union)が締結され、その時初めてスカンジナビアンクロスが掲揚されたといわれています。

デンマーク国旗は主に王族・海軍(海軍では右側が三角形にカットされた燕尾型(Swallow Tailed Flag)にしています)で使われてきました。一般では1854年から使用され始めましたが、デンマークの人々は旗掲揚の日以外にも様々のイベントや行事などでも装飾的に飾り付け、この赤地にホワイトクロスの旗をこよなく愛しています。
正式縦横比=28:37
通称、ダンネブロー[Dannebrog] (デーン人の布)

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